メルカリやラクマで、「値下げして」って言うのはなかなか難しいですね。
どう切り出していいのか?
どれくらいなら、常識の範囲の値下げ幅なのか?
提示価格で買えばいいと言われそうですが、
「もうちょっと安ければ、絶対買いなんだけど…」
「もっと安く出していた人も何人かいたしなぁ…」
そういう「欲しいけど、提示価格だと迷う」って時もありますよ。
定価の決まっている企業製品でなく、フリマアプリの中古品なら、値下げ交渉をしてみようと思うことは、自然の流れだと思います。
でも、どう切り出していいか分からない。
「値下げしてください」と言ったら、相手に悪いかな?
気を悪くするのでは?
そうやって自分の欲求と相手への気遣いで、悩んでしまいがちです。
いっそ「値下げ交渉マニュアル」があればいいのに。
私はフリマアプリを出品・購入の両方で使っています。
値下げ交渉もする側・される側、どちらの立場を何度も体験しました。
培った経験で、「絶対、値下げ交渉が成立するマニュアル」は作れませんが、「傾向と対策」くらいならと、まとめてみました。
よければ、ご参考程度にどうぞ。
値下げ交渉と出品者心理
まず知っていて欲しいのは、出品者側の心理状況です。
出品者の価格づけは、大まかに6パターンに分けられます。
- 自分の中で出せる、最低価格で出品している
- 現行出品の中で、最安値にしている
- 相場を把握して、最高利益が出る価格設定のプロ
- 値下げ交渉を予想して、やや高めに設定している
- 同じ出品の中で、売切れになっている価格の一番高い出品に追従している
- フリマアプリがおすすめしてきた価格で、そのまま出品している
パッと見て、1~3は値下げしてくれなさそうだな。
4~6は値下げしてくれそうと思うかもしれません。
けど、正直、出品していて思うのは、どのパターンでも値下げするかしないかは聞くまで分からないということです。
値下げしない、値下げ交渉くるのがウザいと思っている人は、どのパターンで価格を決めていても値下げしてくれません。
逆に値下げ交渉を含めフリマアプリでのコミュニケーションが好きな方は、どのパターンで出品していても交渉の仕方によっては値下げしてくれます。
例えば私の経験ですが、読み終わった本は、現行出品の中の最安値で出すようにしています。だいたいamazonランキング上位のビジネス本が多いですが。
ラクマで出品して1週間売れてなかったのですが「100円引きで売ってくれませんか?」とコメントされたので、値引きして売ってしまいました。
もっと安く出しているライバルは誰もいなかったのに、値引きに応じたのです。
なぜかというと、単純に在庫で家に置いておくと邪魔だったからです。
もう読み返さない本だし、1200円で出品していたので、1100円ならいっかと思ったんですね。
出品するとき撮った写真の状態に保っておかなきゃと、気も使ってますし。
本屋でもランキング上位で並べられてる本でしたら、いつもっと安い出品者が出てくるのか分かりませんしね。
逆に、絶対値下げに応じないこともあります。
(その時は商品説明欄に「値下げ不可」と書いてますけど。)
自分の中でそれ以上値下げしたら、発送梱包の手間を考えると割りに合わないなと思っている時は、値下げ交渉は断ります。
この価格で売れないなら、知り合いにあげた方がいいやと思うからです。
売った時に得られるお金より、知り合いに喜んでもらう方が価値がある時もありますからね。
こういった出品者の心理を、アプリの出品ページから完全に読み取れれば値下げ交渉は簡単ですよね。
でも、そんなのは不可能です。
不可能ですが、ある程度なら読み取ることができます。
値下げ交渉が成立しやすい商品とは?
出品者心理を踏まえて、どんな商品なら値下げ交渉してもいいのか?
成功率が高そうな出品7パターンを紹介します。
- 出品してから数日経っている商品
- 他の出品より高めで1日以上経っている商品
- 「いいね」が多くて1日以上経っている商品
- 「質問してください」と書いてるユーザーの商品
- 販売評価10くらいの初心者ユーザーの商品
- 箱入りで箱無しにすれば送料が下がる商品
- 複数商品を購入した場合
1.出品してから時間が経っている商品は、値下げ交渉が成立しやすいです。
単純に売れないなら安くするってのは、出品者側も考えることですから。
2.他の出品より価格が高めで1日以上売れてない商品も、交渉の余地があります。
メルカリだと出品した商品の半分が24時間以内に売れていると、公式が言っています。
ともすれば、多数出品があって1日以上売れないものは下に追いやられて売れる可能性が低いです。
また出品した側は、どれくらい商品が見られた(タップされた)か分かるようになっています。こんな感じで↓
あんまり見られてないなって時に交渉がきたら、考えちゃいますよね。
3.「いいね」が多いのに売れてない商品も、値下げの可能性ありです。
みんなが見て「いいね」もつくのに、なんで売れないの…?
そう思っているところに、「ちょっと値引きしたら買います」という提案は魅力的に思えますからね。
4.商品説明に「質問してください」とあれば、値引きの可能性あります。
こういう方は、誠実で親切で気遣いのできる、頭のいい方が多いです。
最初から「値引き不可」と書いてないのなら、売れない場合に備えて値下げ交渉がくる可能性を残しておいてることがあります。
5.販売評価が10程度の、初心者ユーザーさんの出品も狙い目です。
フリマアプリは慣れるほどに、交渉というコミュニケーションが面倒になりがちです。
その点、まだ初々しい、取引の少ないユーザーさんは話を真面目に聞いてくれることが多いですよ。
6.箱付きの商品の場合、箱無しで送料が抑えられるなら、その分値引きしてもらえることもあります。
7.複数の出品物をまとめて購入する場合も、送料分値引きしてもらいやすいですね。
上記で紹介したパターンに当てはまってなくても、値下げ交渉に応じてくれることがたくさんあります。
あくまでも一例として、参考にする程度にしてください。
値下げ交渉をしてはいけないユーザー
逆に値引き交渉を仕掛けてはいけない方もいます。
プロフィールが異常なほどに長い方です。
特に、過去の悪い評価についての理由を延々と書いている方。
嫌な気分を引きずって、感情的になりやすい方です。
気分転換が下手なのかもしれません。
こういう方は、トラブルになりがちなので、私は避けてます。
過去に値下げ交渉に応じてくれたので購入したら、ふつう評価をつけられたってことがありました。
悪い評価じゃないだけマシですけどね。
値下げ交渉の切り出し方
フリマアプリで出品していると、唐突に
「値引きできますか?」
「1000円で即決します!」
とコメントしてくる方がいます。
これは、即お断りしたくなる悪い例です。
特に「〇〇円即決します!」は最悪ですね。
「売値を決めるのは私であって、お前じゃない!」と思っちゃって、妥当な金額を提示されていたとしても、断ります。私ならね。
「値引きできますか?」の一言で聞いてくる場合は、私なら対応しますが、不躾と感じる出品者も多いようです。
値引き交渉は、コミュニケーションです。
まず、あいさつから入るのがいいでしょう。
「こんにちは」でも「はじめまして」でもいいです。
いきなり「値引きできますか?」「900円になりませんか?」では、不躾な奴だと思われがちです。
フリマアプリの利用者は女性が多いです。
女性はあいさつや丁寧さ、共感や思いやりを大事に思っていますから。
率直に要件を言うだけの言い方では、冷たく失礼に感じてしまいます。
ペッパー君相手なら、簡潔に要件のみが理解しやすくいいのかもしれませんが、人間相手ですからね。人間に寄せていきましょう。
「こんにちは。こちらは〇〇円に値引きしていただくことはできますか?今日中にお支払いできますので。ご検討お願いします。」
こんな感じで、あいさつと敬語を使って丁寧にお願いしてくると感じがいいです。
「即お支払いできます。」「今日中に支払いできます。」とあれば、受け入れやすいです。
出品側は値下げしたのにいつまでも買ってもらえないと不安になります。
こういう事例は多く、みんながそういう状況を予想して値下げするのに不安を覚えてます。
先回りして、スムーズに取引が進められる人間ですよアピールするといいですよ。
値下げ交渉は希望金額を言ったほうがいい?
値下げを切り出す時に、最も悩むのが具体的に〇〇円と言うべきかどうか?
こちらから金額を提示したら、不利ではないか?
ぼかして出品者側から値下げ価格を提示してもらった方が、交渉成立しやすいのでは?
ここは駆け引きの発生するところです。
完全に、どっちがいいということはありません。
私が出品者なら、具体的な希望金額を言って欲しいと思っていますけどね。
なぜなら「値引きできますか?」より「1000円に値引きできますか?」から始まった方が、やりとりに時間がかからないからです。
例えば1500円の商品を出品していて「1200円に値引きできますか?」ときた場合。
1200円は厳しいなと思ったら「1300円ならいいですよ。」と返事することもできます。
これが「値引きできますか?」から始まると、
「いくらぐらいをご希望ですか?」
「1200円です。」
「1300円ならいいですよ。」
と1アクション多くなり、その分時間がかかります。
返事を待っている間っていうのも、それなりにストレスを感じますので。
値引き交渉は面倒くさいなと感じられると、値引きしていいかと思ってても、つい断ってしまうこともあります。
交渉成立までのやりとりは、なるべく短く。
要件は丁寧かつ具体的に1回で全部聞いて欲しいです。
「こんにちは。こちらは〇〇円に値引きしていただくことはできますか?今日中にお支払いできますので。ご検討お願いします。」
と言った感じですね。
ただ、出品価格が10万円とか高額で、値引きして欲しいけどいくらが妥当か全く検討がつかない場合は、「値引きできますか?」から始めてもいいかと思います。
すぐ売れちゃいそうな人気商品でない限りは、高額商品に関してはじっくり交渉を進めるのも有りだと思いますよ。
いくらなら、値下げに応じるか?
値下げ交渉は具体的に希望価格を提示した方がいいと書きましたが、では具体的にどれくらいなら値下げに応じてくれやすいのか?
値下げで提案できる金額は、いくらくらいが常識的なのでしょうか?
よく言われるのが、価格の10%程度
1,000円なら100円。
10,000円なら1,000円ですね。
概ね、この基準でいいと思います。
あとは端数ですね。
1,080円なら80円引きで、1,000円にして8%引き。
12,340円なら340円から1,340円まで狙えるかな?と思います。
12,340円→11,000円で10.8%引きですよね。
商品の内容と、出品してからの期間などにもよりますけどね。
使ってはいけない!NG交渉ワード
もはや言うまでもないこと思いますが、「即決です!」は最NGワードです。
フリマアプリでは価格の決定権は出品者にあります。
即決するのは出品者側であり、購入者にはありません。
心の中でどんなに「1000円なら即買いなのに」と思っていても、購入者にある権利は買うかどうかです。価格を決定することはできないのです。
でも、価格を提案することはできます。
なので、「〇〇円に値下げできませんか?」とあくまでもお伺いのスタンスでいきましょう。
もう一つ、NGな値下げワードが
「amazonで〇〇円で売っているので、〇〇円にしてくれませんか?」
これは本当にコメントされたことがあって、びっくりしました。
じゃあ、amazonで買ってくれって話ですよ。
私がヤマダ電機だったら値下げに応じたかもしれませんが、残念ながら私は企業でもないし、仕事で出品しているわけでもないですから。
「他と比べてあなたの出品は高いので、安くしてくれ」という要求はNGです。
交渉してきた方は、値下げすべき理由があった方が応じてくれるだろうと思ったのかもしれません。
ですが、逆に不快にさせてブロックされかねないので、「他で〇〇円だったので」はNGワードですね。
よくある「ポイントが〇〇しかないので」は、初期の頃は成功しやすかったんですが、最近は逆効果と感じることが多いです。
あまりにも売れなくて、値引額も100円くらいになるなら、その理由で値下げに応じることもありますけど。
他に多いのは、お金がないアピールです。
お金がないけど、子供が欲しがっているので値引きしてくれませんか?的なもの。
正直言って出品していて値下げに応じるのは「なかなか売れない」「値下げ幅が許容範囲」っていう出品者都合の理由の時だけなので、相手の都合を言われても…ってなることが多いです。
ただし私は一度だけ、子供が欲しがっているという理由で値引きしたことがあります。
コピックという、ちょっとお高いカラーペンセットだったんですけど。
将来マンガ家かイラストを描く人になりたいという小学生の子供が欲しがっているので、買ってあげたいというお母さんでした。
そのお母さん自身は絵とか全く興味なくて、コピックは高いけど、どういうペンなのか分かってなかったそうです。
つい自分の子供の頃と重ねて、言い値で売ってしまいましたよ。
ネット上での売買とはいえ、血の通った人間同士です。
こういうこともあります。
自分の都合を押し付けず、相手の立場も気遣って値下げコメントすれば、NGワードが出てくることはないはずですよね。
値下げ交渉が成立したあとは?
慣れている出品者さんだと、価格変更・〇〇さん専用など対応し、「価格変更しました」などコメントで教えてくれますので、速やかに購入してください。
もしくは「私の名前で専用出品をお願いします。」と、購入者側からお願いしてください。
メルカリだと専用出品は公式ルールではない為、出品者によっては専用作りませんという方もいます。
その場合は価格変更されるまでアプリをチェックし続けて、変更後すぐに購入できるように対応しなくては、別の人に購入されてしまうこともあります。
ラクマの場合は、しばらくスマホを見れないのであれば、購入前申請をありにしてもらうよう、出品者さんにお願いしておきましょう。
「すみませんがしばらくスマホを見れません。◯時以降なら大丈夫ですので購入前申請をありにして、売らないでおいてくださいませんか?」
こんな感じで丁寧にお願いすれば、普通の人なら対応してくれます。
まとめ
- 値下げ交渉はコミュニケーション
- 値下げする・しないの決定権は出品者にあり
- 値下げの切り出しは、あいさつから
- 1回のコメントで、あいさつと要件を伝える
- 希望価格はハッキリ伝えるのがおすすめ
- 人間相手を忘れず、丁寧に礼儀正しく
- プロフィールがヤバそうな人は避ける
値下げが成功しやすい出品パターン
- 出品してから数日経っている商品
- 他の出品より高めで1日以上経っている商品
- 「いいね」が多くて1日以上経っている商品
- 「質問してください」と書いてるユーザーの商品
- 販売評価10くらいの初心者ユーザーの商品
- 箱入りで箱無しにすれば送料が下がる商品
- 複数商品を購入した場合
最後に大事なことなのが、断られても落ち込みすぎないこと。
出品者側に立つと、値下げ交渉が多くて、正直うっとうしいと思うこともあります。
でも、値下げしてもいいから売ってしまいたいっていう気持ちの時もあります。
気分がいい時はあっさり値下げしてみたり、嫌なことあった日は値下げしたくないと思ったり。
出品者の気持ちひとつで、同じような商品・価格でも値下げ交渉成功したり失敗したりします。
だって感情のある人間だもの(笑)
なので値下げ交渉失敗しても、変に落ち込んだり、迷惑だったかな?と思い込んだり、コミュニケーションに臆病にならないで欲しいです。
ネット上では「メルカリ乞食」なんて値下げする人を批判する声もありますが、値下げ交渉すること自体が悪いわけではありませんよね。
非常識なほどの値下げだったり、上から目線の失礼な言い方だったり、そういう一部の極端なユーザーが悪目立ちしている気がします。
便利なアプリなんですから、モラルを持って健全に利用する文化が根付いて欲しいですね。