「ニュータイプの時代」だなんて、ガンダムを連想した人、いると思います。
内容はいたって真面目で、現代は価値観がすごいスピードで変化してますってことでした。
旧価値観にがっつり偏っていると、生きにくい時代にほぼなっているよ、新価値観の人はこういう思考傾向でこういう行動するよっていう話でした。
著者はビジネス書界隈で流行りの、山口周さん。
私は著者では選ばず、ランキング上位にあるっていう理由でビジネス書を選ぶ傾向にあるのですが、気づけば本棚に3冊の山口周著作物がありました。
流行ってますね〜。
ビジネス書で流行っているということは、時代性を掴んでいるのでしょう。
働いている層の抱えている、うまく言えないけどもやっとした悩みが見えているのではないかと思います。
どうしたら、そんな観察眼が手に入るのか…
「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」は、現代の働き層が抱える悩みを解決するヒントになるかもしれません。
時代の価値観が変わっていることはなんとなく感じているけど、何がどう変わっているのか?
うまく言語化できない、もやっとしたそれを「オールドタイプ」と「ニュータイプ」に分類。
2つに分類し比較することで、説明がわかりやすかったです。
「ニュータイプの時代」概要
ところが、私たちは人類史上の中で初めて「問題が希少で解決策が過剰」という時代に突入しつつあります。
(引用:7ページより)
テクノロジーの急速な発展により、社会が大きく変化している現代。
企業も個人も今までの成功モデルではうまくいかず、新しい方法が求められています。
どの家でも冷蔵庫やテレビがあるのがフツーになり、生存するだけなら不便はない状態です。
結果、便利にするための解決策はいっぱいあるので、問題はどれを選ぶかということになりますよね。
人類史上、ここまでモノが行き渡った時代はなかったわけです。
今までは、「食べ物は腐るから、備蓄する方法が欲しい」
「じゃあ、冷蔵庫作りました」といった感じに、問題は明らかで解決策が欲しかった時代です。
これからは、「そもそも問題は何?」という時代になっています。
こういう時代に求められるのは「ニュータイプ」ですよっていう内容です。
- ビジネスで成功したい人
- 上司または部下と価値観が違いすぎると感じている人
- 今の働き方にもやもやしている人
「ニュータイプの時代」感想と印象に残った箇所
今は、どんな時代か?
時代は繰り返すというか、古代ギリシャのような時代だなという印象を受けました。
人々が神話を語り、ロマンを求めて暮らしていた時代って書くと、それっぽくありません?
AIやロボットが奴隷の代わりになるとすれば、現代は古代ギリシャ時代になってもおかしくないですよね。
人々はヒマを持て余し、延々と考える哲学者っぽい生き方をしたり、芸術作品を作って暮らしたりするようになるのでしょうか?
そうなったら、楽しそうだと思います。
でも今はどちらかというと、息苦しいというか生きにくさを感じますね。
時代の転換期にあって、今のパラダイムと次のパラダイムの間で揺れ動いているせいでしょうか?
この生きにくさから脱出するには、できるだけ速やかに次のパラダイムへ移動すべきなのでしょうが、それを本書は手伝ってくれている気がします。
ニュータイプとはどんな人間なのか?
「未来がどうなるのか?」ではなく「未来をどうしたいか?」を考えるのがニュータイプだということです。
(引用:65ページより)
Facebookを作ったマーク・ザッカーバーグや、マイクロソフト創始者ビル・ゲイツみたいな人たちを思い起こしますね。
イーロン・マスクなんかもすごくそんな感じがします。
どうしたいかのビジョンがあって、そのためにとんでもないことやっているイメージです。
あと、子供ってそんな感じがしません?
姪っ子たちの書く絵なんかみてると、自分の欲望に忠実ではあっても、未来をどうしたいかを描いているなぁ〜と思います。
できるか別として、ですが。
カービィーに乗って空飛んでいる絵とか、クリエイティビティありますよね子供って。
「未来をどうしたいか?」を描けるのは、クリエイティビティに繋がっていると私は思います。
そうではない、むしろ「社会をより良い方向に変化させたい」というエネルギーのレベルはミレニアル世代の方が高く、その発露の仕方や方向性が違うということなのです。
(引用:87ページより)
若者の方が社会がよくなって欲しいと思っているのは、納得でしょう。
その発露の仕方や方向性が違うというのは、慧眼だと思いました。
結局、若い世代ほど自動的にこれからの時代にあってくるわけで、旧世代は古い価値観を押し付けないようにするのが聡い振る舞いなのかと思います。
暴走しない程度に見守って欲しいとは思いますけど。
自分がどのポジションにいるかでも変わってきますね。
時代を作る側か、見守る側か。
時代を作る側にいたいなら、ニュータイプになった方が有利な気がします。
一方で、ニュータイプは「とりあえず試してみて、結果をみて修正する」というダイナミックなアプローチを取ります。
(引用:245ページより)
これは、すごく納得ですね。
インターネットやテクノロジーの発達によって、「とりあえず試す」のハードルがものすごく低くなっていますから。
最初から完全なものを目指すより、さっさと世の中に出してみて、フィードバックを受けて完璧に近づけていった方が早いのは、自明でしょう。
オールドタイプとはどんな人間なのか?
このような時代にあって「発言力も影響力もない自分がオピニオンを上げることに意味はない」と考え、言うべきことを言わず、その場の空気に同調して忖度するのはオールドタイプのパラダイムと断ずるしかありません。
(引用:322ページより)
若い人ほどニュータイプに、年配の方ほどオールドタイプに偏っている傾向にあるでしょう。
その中で20代〜40代は、ニュータイプの価値観とオールドタイプの価値観の間で揺らぎ、苦しんでいるのではないかと思います。
どっちの言い分も、なんか分かる。そのせいで自分に自信が持てなくなっているのではないでしょうか?
自分はどっちが正しいと思っているのか。
現代人は、はっきりニュータイプ・オールドタイプに分けられるのでななく、グラデーションなんだと思います。
時代の転換期にいるわけで、価値観が転換されそうな間でゆらゆらしているわけですから。
白黒はっきりではなく、どっちかの思考・価値観に偏っていて、それぞれグレーの濃さが違う状態。
よりニュータイプ側の濃さに移動させていった方が、これからの時代は成功しやすいし、生きやすくなっていくのでしょう。
まとめ
- 人類史上初めての解決策余りまくりの時代
- 「未来をどうしたいか?」ビジョンを描ける人が求められる
- ニュータイプは「とりあえず試して、結果をみて修正する」
- オールドタイプは忖度して自分の意見を慎みがち
- ニュータイプの方が成功しやすい時代である」
著者の山口周さんは、インフルエンサーでもあります。
ツィッターのフォロワーは5万人以上。
エンゲージメントも高く、コアなファンを獲得しています。
コンテンツ(本)も作って、マーケティングも著者自身が行うスタイル。
本の内容もですが、山口周さん自体が面白いですね。
現在進行形で成功を体現しつつ、ニュータイプの方が現代では成功しやすいですよ。時代に求められていますよ。というのは説得力もあります。
カタカナいっぱいだし、字もいっぱいで一見小難しそうに感じる本ですが、読めば理路整然としていてい非常に理解しやすく読みやすい、良本だと思いました。