「遅読家のための読書術」感想 覚えられないなら書けばいいじゃない

毎日1冊、本が読めたらいいのに。

速読、瞬読、フォトリーディング…

巷には、速くたくさん本を読むためのノウハウ本が、何種類も出まわっています。

私も例外なく、試しに買って読んで、実践してみました。

 

でも、やっぱり身につかない読書習慣。

フォトリーディングに至っては、セミナーまで参加したのに…

そんな私でも使えそうな読書術に、やっと出会えた気がする1冊でした。

 

それでは、ご紹介します。

「遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣」

著者はライフハッカー日本版の書評でおなじみの書評家、印南敦史さんです。

目次

「遅読家のための読書術」の概要

ライフハッカー日本版やニューズウィーク日本版など、4つのサイトで書評を書いている印南敦史さんが教える読書術。

速読どころか、自分は遅読家だという印南さんですが、毎月60冊以上読んでレビューを書いています。

目玉を速く動かすでもなく、文字を絵として記憶するでもない。

1日1冊以上、読んでアウトプットまでこなす方法について、目からウロコの内容でした。

こんな人におすすめ!
  • 物理的に速く読む速読が無理だった人
  • ビジネス書をたくさん読みたい人
  • 読書習慣を身に付けたい人

「遅読家のための読書術」感想と印象的だった部分

現代人は本を読めなくなっている?

スマートフォンの影響により、集中力が低下したと感じている方は多いでしょう。

私の場合、あんなに好きだった映画ですら2時間ぶっ通しで集中してみるのがつらい時があります。

マッドマックス並の超面白い作品なら平気ですが、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とか絶対無理ですね。スマホいじっちゃいます。

 

スマホでSNSやウェブニュースを見るようになって以来、多くの人の「読み方」が気づかないうちに変化しています。

圧倒的な量の情報が洪水のように画面に流れ込んでくるので、かつてのような「文字の追い方」をしていては間に合いません。

(引用:本書10ページより)

私たちの脳みそは、もうスマホ時代の新しい読み方になじんでしまっているのですね。

それなのに本だけは、今までどおりの読み方をしようとしたら、脳みそにとってはストレスマックスで集中できないのは、仕方ないことです。

そこで、「読書すること」について発想を転換してみようじゃないかというのが、本書の提唱する「フロー・リーディング」のすすめです。

 

「フロー・リーディング」とは?

「フロー」は英語で、流れるという意味です。

「フロー・リーディング」というのは、読んでいる本に書かれている内容を全部記憶しようとしないで、自分の内部を流れていくことに価値を見出す読書法です。

 

従来の読書は「ストック型」。

書いてあることを覚えようとする、読書のやり方です。

そのために、気になった場所に線を引いたり、書き込んだり、読み返したり、って、熟読しようと頑張ってしまいます。

そう、がんばって本を読んでしまっているんですよ。勉強のためだと思って。

 

本を勉強のために読まなくちゃと思うと、読書自体がストレスに感じてしまい、読まずに積ん読がタワーになっていくという悪循環を生み出してしまいます。

仮にがんばって本を読んだとして、どれほど本の内容を覚えているでしょうか?

いっぱい線を引いて書き込みして、また同じ本を読み返すことはあるのでしょうか?

 

私はビジネス書が好きでよく読みますが、まあ、読み返しません。

読んだあとはいい勉強になった気がしますが、内容を覚えてないことが多いです。

だから、それをなんとかしたい!

そこで、実践してみたいと思ったのが、「フロー・リーディング」です。

「ちゃんと読んで『インプット』しなきゃ…でも、気分が乗らないな」なんて思っているくらいなら、さっさとその本を自分の頭の中に「流し込む」ことが重要。

本を有効活用する道筋は、そこからスタートするからです。

(引用:本書47ページより)

 

覚えようとせず、まるで音楽を聴くかのように、自分の中に情報を流しいく読書スタイル。

そのための具体的なテクニックが、本書では紹介されています。

 

気になった箇所は、まる写しする!

本書でいちばん印象的だったのが、この一文です。

まず、線を引いたくらいで、その部分が記憶により強く残ったりするものでしょうか?

(引用:141ページより)

 

私はずっと、本に書き込むのに抵抗があったので、書き込み前提で買うビジネス書や新書は、あえて中古を買っていました。

1回目は赤色で線を引きながら読み、2回目は青色にしようとか、考えて線を引いてましたね。

そして今、手元にある本で青い線が引かれた本は1冊もありません。

赤い線が引かれた本も、読み返すと赤線部分に目がいってしまい、読みにくいです。

でも、線を引いた方がいいと思って、本は汚く読み込んでこそ勉強だと思ってました。

思い込みって、怖いですね。

本当はキレイに読んで、読み終わったら気に入ったのはとっておいて、もう読まないのはメルカリで売ってしまおうというのが、私にあったスタイルだったのに。

 

気になった文章はまる写ししながら書いて、読書終了時点でその本のハイライト集が完成するというやり方は、とても感銘を受けました。

(引用:本書83ページより)

ぜひ、真似させていただきたい!

 

また、書く部分を意識して読むことで、覚えなくていい、覚えるために読んでいるという固定観念を忘れられるのもポイント。

好きなセリフを書き写す感覚で、楽しく読書できますし、勉強という強迫観念は追いやられます。

 

1日1冊読み切る方法

できれば、本は「1日1冊読み切る」のが理想的です。

毎日違う本が自分の中を通り抜けていく状態をつくるのが、フロー・リーディングの基本的なかたち。

(引用:本書62ページより)

ビジネス書や新書なら、ふつうにに読んでも2〜4時間で読み切れるものが多数かと。

フロー・リーディングは斜め読みをするので、1時間もかからず1冊読めますし、そういう本を選ぶのが大事だそうです。

そうやって1冊を短時間で読み切ることで、全体観を把握し、読書密度をあげて理解を深めることができます。

 

確かに、1冊を読むのに何日もかけたり、間をあけたりすると、何について書いてあったか忘れちゃって全体観を掴むのは難しくなりますね。

読み始めた当初の目的も忘れちゃいますし。

なんでこの本を読もうと思ったんだっけ?何について知りたくて、どこに興味を惹かれて読み始めたか、1日あけば余裕で忘れますよね。

 

そうならないために、1日で読み切るってのは重要なポイントだと思います。

また、毎日読めば早く習慣化されますしね。

まとめ

  • スマホの影響で、斜め読み・拾い読みが得意な脳になっている
  • 読書した内容をため込まない、フロー・リーディング
  • 気になった箇所は、まる写しする
  • 1冊を1日で読み切れば、読書密度が高まる

本書のテクニックを全部書くわけにはいかないため、個人的に印象的だった部分のご紹介となりました。

この「遅読家のための読書術」の最終章に、本がなくても生きていけるとありました。

 

タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE」という有名なキャッチコピーを見ると、いつも「そんなことはないと思うけどなー」と感じます。

(引用:本書195ページより)

全くその通りで、音楽も本も生活必需品ではないんですよね。

生活必需品でないからこそ、音楽が聴きたい時もあるし、本を読むことでワクワクする時があるんですよね。

 

本なんか読まなくてもいい!だから「読書生活」は楽しい

(引用:195ページより)

速読・フォトリーディングで挫折した私にこそ、ぴったりの読書術だと思いました。

本は好きなので、フロー・リーディングで「読書生活」をこれから楽しみたいと思います。

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