誰もがインターネット上で気軽に文章を書いて、メディアになる時代。
私もブログを書いていますが、書けば書くほど、上手く書けないなと悩むことが多いです。
どうしたら、文章が上手くなるのでしょうか?
上手い文章と下手な文章は、何が違うのでしょうか?
「バズる文章教室」はキャッチーなタイトルですが、中身はめちゃめちゃ詳しい文章の解説でした。
バズる文章術っていうより、良文解体新書だと思いますよ。
なぜ、この文章は読みやすいのか?
なぜ、この文章は続きが気になるのか?
なぜ、この文章はリアリティーを感じるのか?
マニアックな国語の先生から習っている気分で読める、楽しい1冊でした。
「バズる文章教室」概要
同じ内容でも、目を引く文章、最後まで読んでしまう文章、思わずクスッとしてしまう文章があります。
ふつうの文章と、良い文章は何が違うのでしょうか?
いわゆる文章術の本とは違い、本書は例文で学ぶスタイルです。
村上春樹先生、星野源さん、文豪・森鴎外から片付けコンサルタントまで。
たくさんの「いいね」と思える文章を例題に、テクニックを徹底解説した1冊。
自分にも使えそうなものが、きっとあるはずです。
- 文章が上手くなりたい人
- 小説や文芸書が好きな人
- バズよりエモい文章を書きたい人
「バズる文章教室」感想と使えそうだと思ったテクニック
「バズる文章教室」というタイトルですが、バズとはあんまり関係ないなと思いました。
いろんな文芸書や書籍を引用して、赤ペン先生のごとく線引き解説しているあたり、文章教室感はありますが。
個人的にはバズより、エモい文章の書き方が学べそうだと感じました。
内容は面白く、私もブログをこうして書いていますので、使えそうだと思ったテクニックや印象的だった箇所をピックアップしてご紹介します。
読ませるための「つかみ」はどうする?
最初に何か“ひっかかり”があると、どうしても続きを読みたくなるんですね!
(引用:24ページより)
書き出しって、いつも悩みます。
ブログのようなそこそこ長い文章の場合、最初が面白くないと、読むのめんどって思っちゃいますからね。
「つかみ」となるひっかかりを、最初に持ってこないと読み始めてすらもらえないのです。
なんだろ?と思わせる刺激的かつ意味不明な言葉だったり、「蜜蜂と遠雷」のような接点のない2つの言葉だったり。
読者を引き込むテクニックが、本書のchapter1では7つ紹介されてました。
接点のない2つの言葉を並べるなんて、シンプルかつ使いやすく、効果的。
探してみると、周りにけっこうありすよ。
特にタイトルに多い印象でした。
こういう視点で見てみるのも、面白いですね。
SNS時代の文章術
自分の個人的な気づきを、「よくわからないけどね」と正直に書く。すごく現代的な文章術ですよね。
(引用:70ページより)
「共感」っていうのは、今の時代のキーワードですよね。
SNSでみんなが発信している言葉、バズるのは多くの人が共感したから。
ひと昔前だと、もっと自信に満ち溢れた強い言葉が支持を集めていたと思います。
カリスマなんとか、みたいな。
今あんまりカリスマって、言わなくなりましたね。
我が道を追ってこいというカリスマより、みんなの心に寄り添う共感力の高さが求められている時代なんだと思います。よくわからないけどね。
人を動かす文章力
アメリカでブームとなった、片付けコンサルタント・こんまりさんが例題に取り上げられてました。
彼女は著書「人生がときめく片づけの魔法」で、片付けが苦手な人に片付けをさせるという、極めて高いライティング力を発揮しています。
そのライティングテクニックの1つが、
百人中百人が取るであろうリアクションを、そっくりそのまま言葉にする。そして「心配はいりません」と安心させる。
(引用:177ページより)
ポイントは、「そっくりそのまま」の部分です。
「完璧」と聞くと、「それは無理です」と身構えてしまう人も多いかもしれませんが
(引用:「人生がときめく片づけの魔法」近藤麻理恵・著)
「それは無理です」と、読者の心の声をそっくりそのまま、書いてます。
完璧は無理だと思うかもしれませんが…じゃあ、ダメなんです。
そっくりそのまま、まるで自分が声に出してしまったかのごとき本音と同じだから、次の「安心してください、大丈夫ですよ。」が響くんです。
読者が自分を投影させやすいように、本と会話しやすいように引き込むテクニック。
すると、すぐ後のフォローの言葉が受け入れやすいと。なるほどね〜。
言葉による無意識まで考える
「掘り起こそう」や「発見しよう」だと能動的なエネルギーを必要としそうですが、「目覚めよう」だけだったら、ただ眠ってるものを起こすだけだから、あまり努力しなくても良さそうな感じがします。
(引用:288ページより)
ベストセラー本のタイトルなんかを分析してみると、面白いかもしれません。
人は言葉から、額面どおりの意味以上を受け取っているのですね。
まとめ
- 「バズる文章教室」は、文豪たちの良文章を徹底解説した1冊
- 事例と解説で、文章テクニックを学ぶスタイル
- 文章は「つかみ」が大事
- SNS時代ならではの文章術がある
- 人は言葉以上の意味を読みとる
本書に出てきた文章は、どれも作者それぞれの個性があり、リズムがありました。
文章を書く理由は人によりけりですが、同じ言葉を使いながらも、人によって伝え方も伝えたいことも違うものですね。
文章には人となりが現れるものだなぁと思います。
感じたことを手放さないように、伝わる言葉を見つけていけたらいいですね。
(引用:125ページより)
文章を書く上で大事なのは、テクニックより自分が感じたことなのかもしれません。よくわからないけどね。