ホリエモンこと堀江貴文さんによる、時間についての考え方が書かれている本です。
時間術の本はたくさん出ていますが、自分が使える時間を増やす方法にフォーカスしているのが大半です。
堀江さんの「時間革命」も自分が使える時間を増やす方法について書かれているのですが、その方法がちょっとユニーク。
時短で済ますとか、隙間時間を利用するとか、時間そのものを捻出する方法ではなく、「自分のための時間」かどうかを判断基準にするという提言がされています。
時間術というより、時間哲学ですね。
「Time is Life.」——時間は人生そのものだ。ぼくたちの人生の価値が湧き出てくる源泉なのだ。
(引用:本書3ページより)
堀江さんの本は何冊か読んでますが、切り口を変えただけで書いてある内容は一貫して同じスタンスなんですよね。
テーマが時間哲学ってだけで、主張していることは一緒なのですが、数ある堀江さんの著書の中で個人的にはいちばん面白かったと思います。
「時間革命」の概要
時間には2種類しかない。
「自分のための時間」と「他人のための時間」である。
(引用:本書15ページより)
「自分のための時間」かどうかを判断基準において、無駄な「他人のための時間」を排除する。
そう書くと、自分勝手に生きろと誤解をうけそうですが、そうではありません。
自分勝手に生きることと、自分のための時間を生きることは、全くの別物です。
「自分のための時間」を生きるためには、どうすればいいのか?
「時間」というものをどう扱うべきか、堀江さんの持つ時間哲学について語られている1冊です。
- 今の自分の生き方に疑問を感じている人
- つい「いい人」になってしまいがちな人
- 社畜やめたい人
「時間革命」感想と印象に残った部分
時間を「資産」と考えよう
時間こそは、誰もが平等に手にできる、唯一の「資産」なのである。
ぼくたちは、その「投資先」をたえず判断し、その価値を最大化することに、すべてを注がなければならない。
(引用:本書7ページより)
よく時間とお金を比較して、「お金は貯めておけるけど、時間は貯めておけない。」と言われます。
貯めてはおけなくても、投資することはできるんですよね。
時間をどこに投資するのか?
例えば、行きたい大学があるなら、受験勉強へ時間を費やすでしょう。
自分の子供を大学に行かせたいなら、子供の受験勉強のサポートに親は時間を費やすでしょう。
これも時間を投資しているってことですよね。
意識してなくても、私たちは判断し、時間を投資して生きているってことです。
だからこそ意識して、時間をどこに投資するか決めることが大事なんだろうなと思いました。
人は本能的に時間が大事と知っている
「時間を取り上げることが刑罰になる」という発想の背後には、すぐれた人間的洞察があると思う。時間を削り取られるというのは、人間にとって決定的なペナルティなのだ。
(引用:本書20ページより)
刑務所に入っていた経験のある、堀江さんならではですね。
罰金より懲役の方が重いとされているのは、人間にとっていかに時間が貴重なものかを証明しています。
その貴重な時間を、ただ垂れ流し続けて生きているのは、もったいないです。
やりたいことがあれば、そこに時間を投資できるのですが…行動力が欲しいですね。
無いのは行動力でなく情報量
その人がどれだけの情報を持っているか、何をどれくらい知っているかによって、人間の行動量は規定されているのだ。
(引用:本書85ページより)
行動力なんてものは幻想だ、と本書ではバッサリ切り捨てられました。
情報が足りないから、動けないだけだと。
これには、すごく納得しました。
仮に今、自動販売機で水を買ってきてと言われたら、私たちは買いにいけます。
どこに自動販売機があって、どこにお金を入れて、どのボタンを押せば水がでてくるか知っていますから。
自動販売機の場所の調べる方法も、ありそうな場所も知っています。
でも、どっか知らない外国、例えばミャンマーとかに行って飲み水を買ってこいと言われたら、できますか?
分からなさすぎて、何から始めたらいいかも分かりません。
これでは行動したくても、できないんですよね。
私たちは、知らないから、行動できないでいるんです。
まずは情報を手に入れないと。
情報量が多い人ほど、行動量が増えるは納得の理論だと思いました。
行動力の差ではなく、情報量の差があったんですね。
やりたいことが分からない人へ
暇は十分にある。
本当の問題は、それを埋めるための「やりたいこと」があなたにははっきり見えていないことなのだ。
(引用:本書117ページより)
私もですが、自分が何をやりたいのか、はっきりわからない人は多いと思います。
「自分のための時間」を生きようにも、ずっと「他人のための時間」を生きてきてしまっていたので、何が自分のためなのか、判断できなくなっているのです。
この状態を脱却するには、自分の本心を聴くよう、強く意識するしかありません。
長い時間をかけて「他人のための時間」を生きる習慣を身につけてしまっている場合、その習慣を捨てるのは、すごく大変です。
ストレスを溜め込みながら、本心に逆らって生きることに慣れてはいけない。
自分の本音がどこにあるかすらわからなくなる前に、やりたいことをやって、言いたいことを言おう。
(引用:186ページより)
これには、心の底から共感しました。
私自身、2年ほど、ブラック企業と呼ばれる場所で社畜をしていたので。
長くいるほど、抜けられなくなります。
本書でも触れていますが、人の持つ「慣れ」の力は強力です。
悪い方向に働かないうちに、断ち切る意思が大事です。
まとめ
- 時間には「自分のための時間」と「他人のための時間」の2種類しかない
- 時間は「資産」。投資先を選べ
- 行動量は情報量で決まる
- 本心に逆らって生きるな
本書「時間革命」では、「自分のため時間」かどうかを判断基準におく生き方を提唱している本です。
スキマ時間を活用とか、スマホ制限するとかのテクニック集ではなく、自分の人生において時間はどう扱うべきかを考える内容だと、私は理解しました。
最後に本書の中でもっとも響いた言葉を紹介します。
本当の自信とは、「自分の心に寄せる強固な信用」である。
(引用:本書232ページより)
長年、自信を持ちたいと思っていますが、自己肯定感がどうとか、成功体験を積み重ねてとかよりも、すんなりと腑に落ちた言葉でした。
本当の自信を築けるように、時間を使っていけたらと思います。